デザインの参考サイト

クラウドファンディングのプロジェクトページにおいて、製品の機能やスペックを伝えることはもちろん重要ですが、それ以上に「その商品がある暮らしの心地よさ」や「使うまでの過程」を視覚的にどう伝えるかが支援を左右します。
本記事では、Makuakeで公開された朋友金属株式会社のブランド「mokumoku」による「ちいさなスモーク木ばこ」をピックアップ。国産檜を用いた小型燻製器の事例をもとに、デザインの細部に宿る工夫をデザイナー視点で解剖します。
今回のプロジェクトのサムネイルでは、「檜から生まれた小さな燻製器」というキャッチコピーが配置されています。
限られた情報量の中でユーザーのスクロールの手を止めるため、製品の素材感や形状がひと目で伝わる写真選定が行われています。ごちゃごチャとした装飾を削ぎ落とし、主役である木の道具の質感をダイレクトに見せることで、ガジェットや調理器具が並ぶ一覧の中でも自然と視線が集まる構成になっています。
メインカラーには落ち着いたブラウンを採用しています。木製品ならではの自然な風合いや、スモークの質感が引き立つアースカラーで統一されており、画面全体からナチュラルで上質な雰囲気が漂います。過度な彩度を抑えることで、ガジェットとしての冷たさを和らげ、インテリアに馴染む印象を与えています。
テキストには明朝体が採用されています。直線的なゴシック体とは異なり、繊細なハネやハライを持つ明朝体を選ぶことで、職人が仕立てたハンドメイド感や、ゆったりとした時間の流れ(情緒的価値)を演出。製品の持つ「眺めて愉しむ」というコンセプトを文字のトーンからも補完しています。
スマートフォン閲覧が主流となっているクラウドファンディングでは、縦長画面での情報の見やすさが重要です。
本事例のサムネイルや冒頭のビジュアルは、縮小されたサイズ(サムネイル一覧など)でも「何をする道具なのか」が視覚的に認識できるように、被写体が適度な大きさで中央に配置されています。また、フォントのウェイト(太さ)と背景のコントラストが十分に確保されているため、スマホの小さな画面であってもキャッチコピーの文字潰れが起きにくく、高い視認性を維持しています。
製品の機能スペック(サイズや構造など)だけでなく、「煙がゆっくりと広がる様子」や「完成を待つ時間」といった体験そのものをデザインに落とし込んでいる点が最大のポイントです。
改善のヒント・応用ポイント
当研究所では、他にも様々なクラウドファンディングのデザイン事例を公開しています。デザインの引き出しを増やすために、ぜひあわせてご覧ください。