クラファン商品は画像だけで伝わる?「さわれるMakuake」から考える体験の見せ方

クラウドファンディングでは、まだ店頭に並んでいない商品や、一般には馴染みの薄い商品を紹介することがあります。
そのため、ページを見ただけで商品の形や使い方、メリットを理解できる画像設計が欠かせません。一方で、手触りや装着感など、画像だけでは完全に伝えられない情報もあります。
2026年9月に開催された体験イベントや常設展示の動きから、クラウドファンディングにおける商品画像の役割を考えてみます。
Makuake商品を実際に試せる場が増えている
Makuakeは、2026年9月19日から30日まで、渋谷サクラステージで「さわれるMakuake」を開催しました。会場ではMakuake掲載商品を実際に体験でき、プロジェクト実行者から商品の背景を聞ける機会も設けられました。
また、ノジマの体験型施設「MIRAI ROBO SQUARE」では、2026年9月14日から10月31日までスマートグラスの特設コーナーが展開されています。複数の商品について、機能、フィット感、見え方、音の聞こえ方を比較できる展示です。
Makuakeは2026年2月から、ノジマ3店舗にもMakuake商品の常設体験コーナーを設置し、約1カ月半ごとに展示商品を入れ替えています。
こうした動きは、画像や文章だけでは判断しにくい新商品にとって、実物を体験できる機会に一定の価値があることを示しています。
新しい商品ほど、既存のイメージに頼れない
たとえば「折りたたみ傘」であれば、多くの人が形や使い方を想像できます。
一方、AIスマートグラスや新構造の家電などは、商品名を見ただけでは、装着した状態や操作方法までイメージできない場合があります。
Makuakeの調査では、2026年上半期のAIガジェット・AI家電の応援購入総額が、2025年の年間総額をすでに上回りました。プロジェクト数は前年同期と同程度ながら、応援購入総額は2倍以上になったと発表されています。
こうした新しいカテゴリーでは、スペック表だけでなく、商品と利用者の関係を視覚化することが特に重要になります。
画像で伝えやすい情報と、伝えにくい情報
商品ページを設計するときは、情報を次のように分けて考えると整理しやすくなります。
画像で比較的伝えやすいもの
- 商品の形状や色
- 各部の構造
- 使用時の大きさ
- 操作手順
- 収納方法
- 同梱物
- 従来品との外観上の違い
画像だけでは判断しにくいもの
- 肌触りや素材の柔らかさ
- 実際に持ったときの重さ
- 長時間使用した際の装着感
- 音質や静音性
- 香りや味
- 座り心地
- 個人差のあるフィット感
後者を無理に断定的なキャッチコピーへ置き換えると、読み手が受け取る印象と実物に差が生じる可能性があります。
画像で感覚を断言するのではなく、判断材料を増やすことが大切です。
触れないページで「体験」を補う4つの方法
1.人と一緒に撮影する
商品の単体写真だけでは、実際のサイズをつかみにくいことがあります。
手に持つ、身につける、机に置くなど、人や日用品と一緒に撮影すると、使用時のスケールを伝えやすくなります。
2.素材や接点をアップで見せる
衣類なら生地、バッグなら持ち手、スマートグラスなら鼻や耳に触れる部分など、身体と接する場所を拡大して見せます。
商品の全体像だけでなく、使用感に影響する細部を見せることがポイントです。
3.操作を連続した画像で見せる
動きのある商品は、完成状態だけでは使い方が分かりません。
「取り出す」「開く」「装着する」「操作する」「片づける」といった順番で画像を並べると、読み手が疑似的に使用手順を追えます。必要に応じて動画を組み合わせる方法もあります。
4.感覚表現に数値や条件を添える
「軽い」と表現するなら重量を、「コンパクト」なら寸法を、「長く使える」なら使用条件と稼働時間を併記します。
感覚的な言葉をなくす必要はありません。ただし、客観的な情報と組み合わせることで、支援者自身が判断しやすくなります。
商品画像ですべてを説明しようとしない
クラウドファンディングの商品画像には、多くの情報が求められます。しかし、一枚の画像へ機能、特徴、利用場面、数値、注意事項を詰め込むと、かえって何が重要なのか分からなくなります。
一枚ごとに役割を決めると、情報を整理しやすくなります。
- 一枚目:商品と最大の特徴を伝える
- 二枚目:使う場面を見せる
- 三枚目:仕組みを説明する
- 四枚目:サイズや仕様を示す
- 五枚目:細部や素材を見せる
商品体験を一枚で再現するのではなく、複数の画像を通して理解を段階的に深めてもらうという考え方です。
まとめ
実物を試せる「さわれるMakuake」や体験展示は、クラウドファンディング商品に触れる新しい接点です。
一方、すべての支援者が会場へ行けるわけではありません。商品ページの写真や図解は、今後も最初の理解を支える重要な存在です。
大切なのは、画像だけで感触まで再現しようとすることではありません。
何を視覚化できるのか、どこからは数値や動画が必要なのか、どの部分には個人差があるのか。それぞれを整理し、判断材料として誠実に提示することが、まだ触れられない商品を伝えるデザインにつながります。

