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商品の魅力を伝えるためには、必ずしも商品そのものを大きく見せる必要はありません。
今回取り上げるのは、新田スプリング株式会社が開発したアクリルスタンド撮影補助デバイス「片手があくスタ」です。
スマートフォンとアクリルスタンドを片手で保持できるようにすることで、撮影時にもう片方の手を使えるようにする商品です。
2026年7月11日から9月15日まで、Makuakeでプロジェクトが実施されました。
このプロジェクトで興味深いのは、商品の外観よりも、商品を使うことで何が変わるのかを中心に画像が構成されていることです。
今回はMakuakeに掲載されたキービジュアルと本文画像、メーカー公開資料をもとに、構図・配色・コピー・情報設計を分析します。

キービジュアルは、鮮やかな青空を背景にした横長のデザインです。
画面左側には「片手があくスタ」という商品名が大きく配置されています。
文字にはピンクから紫へのグラデーションと白い縁取りが使われ、周囲には光の軌跡を思わせる装飾が加えられています。
右側にはスマートフォンを持つ手とアクリルスタンド。
スマートフォンの画面にもアクリルスタンドが写り、実際に撮影している場面を表現しています。
この商品の本体は、スマートフォンに取り付ける小さな金属製のパーツです。

しかし、キービジュアルではパーツそのものを大きく見せていません。
代わりに、スマートフォンとアクリルスタンドを同時に持っている状態を見せています。
つまり、商品の外観よりも、使用することで実現できる撮影方法を優先した構図です。
小さな部品や補助器具は、商品単体の写真だけでは用途が伝わりにくい場合があります。
そのような商品では、実際に使っている状態を見せることが重要になります。
背景に使われているのは、明るいブルーと白い雲です。
商品名にはピンクや紫が使われ、全体として華やかな印象になっています。
金属加工によってつくられた製品ですが、キービジュアルでは工業製品らしい硬さを前面に出していません。
推し活という使用場面に合わせて、撮影する楽しさを強調したデザインと考えられます。
一方、商品名には装飾が多く、下部の小さなコピーやカラーバリエーションの説明も含まれています。
一覧画面で縮小された場合には、細かな文字が読みにくくなる可能性があります。
メイン画像の印象づくりと、スマートフォンでの視認性を両立させる難しさも感じられる事例です。
本文の冒頭では、料理とアクリルスタンドを撮影した写真が使われています。

木製テーブルの上には料理が並び、画面の下側には人物のアクリルスタンドが写っています。
写真の上部には「手を写したくない。」というコピー。
続いて「でも、一緒に撮りたい。」という言葉が配置されています。
この画像では、商品の材質や重量を説明していません。
まず提示しているのは、アクリルスタンドを撮影するときの悩みです。
アクリルスタンドを手で持つと、指が写真に写ってしまう。
しかし、机に置けない場所でも撮影したい。
そうした状況を知っている人なら、商品の仕組みを説明される前に、解決したい問題を理解できます。
クラウドファンディングの本文画像では、最初から機能を並べるのではなく、利用者が感じている不便さを示す方法もあります。
背景の料理写真には、ブラウンやグリーン、赤など多くの色が含まれています。
その中で、コピーには白を中心とした文字色が使われています。
さらに「手」や「一緒に」といった部分をピンクで強調しています。
文字の色を部分的に変えることで、文章の中で注目してほしい言葉がわかる構成です。
ただし、写真の明るい部分と白い文字が重なると、視認性が下がる場合もあります。
同じような画像を制作する場合は、写真の余白や文字の背景とのコントラストを確認する必要があります。
続く説明画像では、キービジュアルとは異なるデザインが使われています。

背景は淡い生成り。
左側には細いピンクの縦線があり、上部に商品名、その下に説明文が配置されています。
本文には黒い明朝系の文字が使われています。
キービジュアルでは、青空や装飾文字を使って華やかな印象をつくっていました。
一方、この説明画像では背景を単純化し、文字を読みやすく配置しています。
同じプロジェクトでも、すべての画像を同じ情報量や装飾量にする必要はありません。
興味を引くための画像と、内容を理解してもらうための画像では、適した構成が異なります。
今回の事例では、その切り替えを確認できます。
使用シーンの写真では、スマートフォンの画面と、実際に撮影している対象が同時に写っています。
スマートフォンの画面には料理とアクリルスタンド。
画面の外側にも料理や撮影する手元が写っており、どのような状態で写真を撮っているのかがわかります。
撮影された写真だけを見ても、撮影補助器具を使用していることはわかりません。
そこで、スマートフォンを持つ手やアクリルスタンドの位置も一緒に見せています。
撮影結果と撮影中の状態を同時に確認できるため、商品の役割を理解しやすい構図です。
撮影用品のように、完成した結果だけでは仕組みが見えない商品では、このような見せ方が参考になります。
メーカー公開資料では、商品の魅力を3つのポイントに整理しています。
背景は生成りで、番号にはピンクを使用。
各項目は白い長方形の中に配置され、重要な言葉にはピンクや黄色の下線が使われています。
ここで注目したいのは、単に機能を3つ並べているわけではないことです。
最初のポイントは、片手が空くこと。
次に、空いた手を写真の演出に使えること。
最後に、推しと一緒に過ごす時間を楽しむ体験へとつなげています。
これは、機能から使用方法、さらに体験の価値へと説明を進める構成です。
「片手が空く」という機能だけでは、便利さを具体的に想像できない人もいるでしょう。
しかし、その手で小物を持ったり、ポーズをつくったりできると説明されると、使い方が見えてきます。
さらに、その結果としてどのような撮影体験が生まれるのかを伝えています。
商品の機能を説明するときは、その機能が利用者にとってどのような意味を持つのかまで整理することが重要です。
メーカー公開の機能説明画像では、「片手が空く」という言葉の下に、2枚の使用写真が配置されています。
左側はテーブル上での撮影、右側は屋外での撮影です。
それぞれ異なる場面を並べることで、ひとつの機能が複数の状況で役立つことを示しています。
写真の上部には短い説明、下部には大きなコピー。
写真だけでなく文字も組み合わせることで、画像の意味を補足しています。
室内のテーブルと屋外では、撮影する姿勢や周囲の環境が異なります。
それでも、スマートフォンとアクリルスタンドを片手で保持できるという基本的な機能は共通しています。
このように、同じ機能を複数の場面で見せることで、用途の広がりを伝えることができます。
ただし、使用シーンを増やしすぎると、何を説明したい画像なのかが曖昧になる場合があります。
今回の画像では、2つの場面を左右に並べ、共通する機能をひとつの見出しでまとめています。
「片手があくスタ」の画像で参考になるのは、小さな商品を大きく見せることより、商品の働きによって生まれる変化を伝えている点です。
キービジュアルでは、撮影する楽しさを見せる。
本文の冒頭では、利用者が感じる不便さを提示する。
続く画像では、商品の仕組みと使用方法を説明する。
そして、機能によって撮影体験がどのように変わるのかを伝えています。
小型のガジェットや補助器具では、商品単体の写真だけでは価値が伝わりにくい場合があります。
そのような商品ほど、使用前の困りごと、使用中の状態、使用後に得られる体験を整理することが大切です。
商品が小さくても、伝えられる価値まで小さくする必要はありません。
今回の事例は、商品の機能を利用者の体験へ結びつける画像構成として参考になります。
商品名:片手があくスタ
実行者:新田スプリング株式会社
掲載先:Makuake
実施期間:2026年7月11日〜9月15日
※本記事はMakuakeに掲載された画像およびメーカー公開資料をもとにした第三者事例の分析です。当サイトによる制作実績ではありません。販売実績と画像デザインの因果関係を示すものでもありません。
アクスタ撮影の「手を写したくない。でも推しと一緒に撮りたい」を叶えるデバイス
https://www.makuake.com/project/katategaakusuta