日本とアメリカ、クラウドファンディングの違いを知っておこう【初心者向け基礎知識】

日本国旗と米国国旗が表示された2台のスマートフォンを持つ手のイラスト。日米のモバイルアプリを比較するイメージ。

はじめに

これまでの記事では、主に日本国内のMakuakeやCAMPFIREを前提に、サムネイル・タイトル・リターン設計を解説してきました。

しかし、クラウドファンディングは日本だけのものではありません。アメリカには「Kickstarter」「Indiegogo」という巨大なプラットフォームがあり、世界的に見ても市場の中心地のひとつです。

将来的に海外展開を考えている方はもちろん、「クラウドファンディングって、世界的にはどんな仕組みなの?」と気になる方にも、日本とアメリカの違いを知っておくことは役立ちます。この記事では、初心者向けに基本的な違いを整理していきます。


市場規模の違い

まず、市場規模の大きさそのものに違いがあります。

アメリカのクラウドファンディング市場は、2023年時点で約136億4,000万ドル、2030年には289億2,000万ドルまで拡大すると予測されています。

一方、日本国内の購入型クラウドファンディング市場の規模は、2024年で約432億円とされており、ほぼ横ばいの成長です。

日本アメリカ
市場規模(2024年前後)約432億円約136億ドル(2023年時点)
成長傾向ほぼ横ばい・微成長拡大傾向
主要プラットフォームMakuake・CAMPFIRE・READYFOR・GREEN FUNDINGKickstarter・Indiegogo

ポイント: 日本市場は大手4社で9割を占める寡占状態が続いています。アメリカはKickstarterとIndiegogoの2強構造ですが、プロジェクト数自体が日本よりも圧倒的に多いのが特徴です。

プラットフォームごとの「審査の厳しさ」の違い

日本とアメリカで大きく異なるのが、プロジェクトを公開するまでの「審査」のプロセスです。

日本(Makuake・CAMPFIRE)

Makuakeは複数回の審査があり、プロジェクト準備から公開まで約1ヶ月かかることもあります。CAMPFIREも画像やテキストが細かく確認され、一度で審査をクリアすることは少ないとされています。

アメリカ(Kickstarter・Indiegogo)

Kickstarterは審査が自動化されており、跳ねられることはあまりありません。落とされる場合も、目標金額の設定や配送スケジュールなど「企画の設定面」が理由になることが多く、内容そのものへの審査は比較的緩やかです。Indiegogoはさらに審査が緩く、幅広いプロジェクトが掲載されやすい傾向があります。

ポイント: 日本でプロジェクトを準備する場合、審査期間を逆算してスケジュールを組む必要があります。「公開したい日の1ヶ月以上前」から準備を始めるのが安全です。

資金調達方式の違い:「All or Nothing」と「All In」

日本のプラットフォームでは、「All or Nothing(目標達成しないと支援金を受け取れない)」と「All In(目標未達でも受け取れる)」の2つの方式が選べることが一般的です。

一方、Kickstarterは創業以来、「All or Nothing」のみを採用しています。Indiegogoは両方式を選択できる点で、日本のプラットフォームに近い仕組みです。

方式説明採用しているサイト
All or Nothing目標金額に達成しないと支援金は受け取れないKickstarter/Makuake・CAMPFIREの一部プラン
All In(Fixed funding)目標未達でも支援金を受け取れるIndiegogo/Makuake・CAMPFIREの一部プラン

ポイント: Kickstarterで「All or Nothing」のみという仕組みは、支援者にとって「達成されなければお金が返ってくる」という安心感につながっています。これは支援のハードルを下げる効果もあります。


人気カテゴリの違い

支援が集まりやすいジャンルにも、国によって特徴があります。

Kickstarter

ゲーム関連が人気で、資金調達額の約20%を占めています。カテゴリには「アート」「コミック」「クラフト」「ダンス」「デザイン」「ファッション」など、創作・アート系が幅広く用意されています。

Indiegogo

テクノロジーやデザインが人気で、Kickstarterより9種類多い24カテゴリが用意されています。

日本(Makuake)

ガジェット系プロジェクトに強みを持つことで知られています。

ポイント: アメリカのプラットフォームは「創作・アート」「ゲーム」のジャンルが強く、日本は「ガジェット」「食品」のジャンルが強い傾向にあります。これは支援者層の興味・関心の違いを反映していると考えられます。

サムネイル・デザインの傾向の違い

これまでの記事で解説してきたサムネイルデザインにも、国によって傾向の違いが見られます。

日本のサムネイル傾向

日本のサムネイル制作の依頼を見ると、「黒を基調としたシックで高級感のあるデザイン」「キャッチコピー・サブタイトル・ロゴを含めた情報量の多いデザイン」が求められる傾向があります。商品写真とテキストのバランスを細かく調整し、世界観をしっかり作り込むスタイルが好まれています。

アメリカのサムネイル・ページ傾向

Kickstarterではプロジェクトページの「プロジェクト紹介動画」が重視される文化が強いとされています。これは、開発者自身が登場して製品のコンセプトや使い方を紹介する、2〜3分程度の動画のことです。製品デモ・開発の背景・チームの想いなどを語ることで、文章だけでは伝わりにくい熱量や信頼感を届ける役割を持っています。サムネイル(静止画)だけでなく、動画による説明がプロジェクトの第一印象を左右する点は、日本との大きな違いです。

ポイント: 日本では「静止画(サムネイル)の情報量・世界観」が重視されるのに対し、アメリカでは「動画による説明・ストーリーテリング」がより重視される傾向があります。海外展開を考える場合、動画コンテンツの準備も視野に入れておくとよいでしょう。


著作権・二次創作に対する考え方の違い

意外と知られていない違いとして、著作権・二次創作への対応も挙げられます。

Kickstarterなどのアメリカのプラットフォームでは、既存の作品やキャラクターを元にした「二次創作」のプロジェクトでも、比較的審査を通過しやすく、プロジェクトを立ち上げやすい傾向があります。一方、日本のプラットフォームは、この点についてしっかりと確認が行われる傾向にあります。

ポイント: 「海外ではOKだったから日本でも大丈夫」と思い込まず、プラットフォームごとのガイドラインを必ず確認しましょう。


日本とアメリカの違いチェックリスト

海外プラットフォームへの挑戦を考えている方は、以下を確認してみましょう。

0 / 5 完了
審査期間・スケジュールの違いを理解しているか
資金調達方式(All or Nothing/All In)の違いを理解しているか
ターゲットとするカテゴリが、そのプラットフォームで人気があるか
サムネイルだけでなく、動画コンテンツの準備ができているか
著作権・二次創作に関するガイドラインを確認したか

まとめ

日本とアメリカのクラウドファンディングは、同じ「購入型クラウドファンディング」という仕組みでありながら、市場規模・審査の厳しさ・資金調達方式・人気カテゴリ・デザインの傾向など、多くの点で違いがあります。

特に初心者の方は、まず日本国内のプラットフォームでの経験を積むのがおすすめです。そのうえで、海外展開を考えるタイミングが来たら、この記事で紹介した違いを参考にしてみてください。

次回の記事もお楽しみに!


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この記事はクラウドファンディングデザイン研究所が制作しました。

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