
京都発、白檀と沈丁花という二つの和の香りを一つの商品群に束ねた点が、まずこの企画の核心である。
メインカラーに据えたピンクとパープルは、沈丁花の花弁が持つ淡い赤紫を出発点にしながら、白檀の木質的な渋みを殺さぬよう彩度を一段落とした紫を混ぜており、単なる「女性向けの可愛さ」ではなく、二十万円の目標に対し四百十一万円・六百四人という十三倍超の支持を得た既存ファン層に向けた「品のある高揚感」を狙った配色と見てよい。
見出しや商品名に明朝体を採用しているのも理にかなっており、香水という嗅覚情報を視覚で語る際、明朝体特有の線の強弱が寺院や香道具を想起させ、十三年をかけた香り開発という時間の厚みを文字の佇まいで裏書きしている。
情報設計としては、支援額の実績表示の直後に商品ラインナップのヒーロー画像を置き、その後に開発ストーリーへと進む順序が取られており、支援者がまず「香りの世界観」を視覚で確認し、次に「なぜこのブランドを信じてよいか」を物語で補強するという意思決定の流れに合致している。
評価すべきは、香水・練り香・ヘアオイルという三ライン各々に無添加の根拠が個別に明記されている誠実さだが、一方で実際に使った人の感想や、香りを「◯◯に似ている」と例えるようなレビューが見当たらず、最も肝心な「嗅覚情報の翻訳」がブランド側の言葉だけに委ねられているのは惜しい。香りを語ることには成功しているが、香りを追体験させる仕掛けはまだ発展途上だ。
【京都の和香をまとう】白檀と沈丁花が優雅に香る、至高のヘアオイル、練り香水、香水
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